出処不明の写真

韓国で軍艦島関係の番組によく使われる写真がある。その写真についてはまだ見えない部分が多くあるのだが、それでも今現在分かっていることについてちょっと書く。

きっかけは、「旭川新聞1926年9月9日に掲載された(日本人土工の)写真」を端島朝鮮人の写真として広告で流したソ・キョンドク教授が「長崎平和資料館側から朝鮮人労働者が明らかだという説明を聞いた」と弁明したこと。

ソ教授は長崎平和資料館から「朝鮮人労働者」との説明は受けたかもしれないが、「『端島の』朝鮮人労働者」と言われたわけではないということが考えられる。

ここで、ちょっと思い浮かんだのが「ピースおおさか」の騒動。「ピースおおさか」の正式名称は「大阪国際平和センター」で「長崎平和資料館」に近い。この「ピースおおさか」だが、過去20年に渡り偽写真の展示をやらかしていたことが数年前に報じられた。とりあえずWikipediaから。

>朝鮮コーナーにおける誤展示と撤去

>2011年10月28日、「朝鮮コーナー」の写真4枚すべてが解説文の内容と異なっていたとして撤去された。これは、大阪維新の会(当時)所属の府議による「間違いではないか」との指摘を受けて調査した結果、1939年以降に日本に連行された朝鮮人証拠写真として、戦前朝鮮に建設された水豊ダムの作業現場を撮影した写真、および1926年9月9日付の新聞に掲載された写真を「虐待された土木労働者」として、1932年に撮影された写真2枚を「鉄道工事場での朝鮮人虐殺」として展示していたことが判明したためである。(大阪国際平和センター、Wikipedia

Wikipediaの言う「1926年9月9日付の新聞に掲載された写真」というのはソ・キョンドク教授がタイムズスクエアの広告で使った長崎平和資料館認定の写真のことであろう。「水豊ダムの作業現場を撮影した写真」というのも、見れば、ここ数年の端島の報道でよく登場する写真である。

写真左がピースおおさかのかつての展示。写真cが水豊ダムの写真。

http://blog.goo.ne.jp/mannizawa/e/724cb762573dfb1cbd5d1d463df8595d

今回、取り上げようと思うのは、写真左の右側に一部が見える写真である。

写真右からはその全体像が分かる。

http://kaikai.ch/board/12384/

説明文は以下の通り。

兵庫県大久保の刑務所を出獄した朝鮮の青年たち(提供 辛基秀)やせこけた姿が虐待の日々を物語る。

説明文の真偽のほどは不明。ただ、韓国語で検索すると「ピースおおさか」の説明文を韓国語にそのまま翻訳して写真に付す例がいくつか見られる。

>「(韓国)国会で日本強制連行被害者写真展を開催」(民衆の声、2004-06-05)

兵庫県大久保の刑務所を脱獄した朝鮮の青年たち やせこけた姿が虐待された日々を物語ってくれる。(原文、韓国語)

http://www.vop.co.kr/A00000010654.html

2008年の西大門刑務所でも同様の説明が見られる。

済州島の英語教師のページから。

July 14, 2008

兵庫県大久保刑務所から出獄した韓国人たちの惨状(原文、韓国語)

http://quebecjeju.blogspot.jp/

ここまでなら、この写真は兵庫県で撮られた朝鮮人の写真ということになる。しかし、韓国の検索サイトで同じ画像を検索すると上の説明以外にもう一つ、全く違う説明文が出てくる。

>「在日同胞100年の歴史を見せてくれる写真展」(2005.11.07)

>北海道の朝鮮人労働者たち

>1926年北海道に強制連行され虐待された朝鮮人の土木労働者たち。 やせこけた肋骨が痛ましい。

http://m.cafe.daum.net/perfectbb/6vf/1842?q=D_VBH2VbKr1LI0&

「1926年」「北海道」「虐待」「土木労働者」と言えば、9月9日の旭川新聞とちょうど符号する。もしそうだとしたら、この写真はソ教授が広告に使った10人が並ぶ写真と共に日本人土工を写した写真ということになる。

まだはっきりとした結論に行き着くことはできないが、少なくともこの写真が端島軍艦島)とは一切関係のないことだけは分かる。このようなイメージ写真で今日も心動かされた人がいるのかと思うと少し寂しい気持ちになる。

(一旦終わる)

追記:

中央日報にソ教授の写真の取り違えについて書いた記事があった。

>「【取材日記】韓国が日本の歴史歪曲に対抗する道」(中央日報、2017年07月28日)

>すでに数多くの証言と文献資料で立証された歴史的事実であっても(日本人は)とぼける。

>根本的な問題は(韓国に)日本の強制動員に関する研究と史料がかなり不足している点だ。

>我々の研究はまだまだだ。

http://japanese.joins.com/article/770/231770.html

研究がまだまだなのに立証されてしまう「事実」というのは、刑事ドラマにおける見込み逮捕みたいなものかな?

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